高校の修学旅行は大阪、京都、奈良、と四国は松山、高知、そして小豆島巡りでした。
今思えばハードスケジュールで、何処から島に渡ったのかまるで覚えがありません。
第一、修学旅行に魅力は感じていませんでしたし、止めようかとさえ思っていました。
ところが友達が「行こうよ、京都でジュリーの実家を見て来ようよ」と熱心に誘われ、私の心は決まったのです。(なんという単純さ)
若い時は神社仏閣に興味も無い上、何処を見ても同じように見えて、社会科の歴史に出て来る固有名詞をテスト勉強のためだけに丸暗記するような女子で、そんな退屈なところへ行きたくも無い...なんて、偉そうに罰当たりなことを言っておりました。
......で、目的が急にはっきりした途端、私は下調べを念入りに始め、ノートまで作成する念の入れようでした。雑誌に出ていた市電の乗り降りと停留所の名前、泊まるホテルからのルートなどを仲良し5人グループでミーティング、もうワクワク感が止まりませんでした。
密かにコトを進めていたのですが、これも別のクラスに漏れてしまい、一緒に行きたいという賛同者?が増えて行きました。(笑)
待ちに待った当日、京都二日目の夕方まで自由時間があり、他のクラスメートは京都新京極でショッピングを楽しむ中、そこでお土産物を買い終えると、すぐさまホテルに一旦戻り荷物を置いてから、約10人ほどに膨れ上がった「ジュリーの実家ツアー」は挙行されました。(笑)
市電で何駅かを数えながらゾロゾロ集団は目的地にまっしぐら.....(調べてみると1978年に廃止になっているそうです。)
目的地に着いてみると、同じく修学旅行で来ていた他県の集団が沢山居て、ジュリーの実家前は一際賑やかでした。
こんなことは日常茶飯事だと後で「お父様」が話しておられました(ここで敬語?笑)
この賑やかな訪問客に玄関から出て来て、快く対応してくれたお父様(松雄さん)は、いろいろなことを話してくれました。子供の頃の話や、実家に隠密で帰って来られた時のエピソードなど、とても穏やかに優しい京都弁で話されていました。
帰り際には松雄さん自身が手書きされた松雄さんのサイン(笑)を頂き、私たち乙女はそれでも十分に満たされてホテルに戻りました。松雄さん「せっかく遠くから来てくれたファンへの感謝です」の言葉は嬉しかったです。
子を思う親心で息子の成功を喜びつつ、その息子に対して「フアンを大事にすること」を身をもって示されたのだな..と感動もしました。
この修学旅行に同行した教頭先生をはじめ担任からはお咎めは一切無く、無事に一つの目的は達成されたのでした。
興奮冷めやらぬ、この日の夜、私たちが泊まったホテル3階の部屋の窓からチャルメラの音が聞こえて来ました。窓から下を見下ろすと屋台のラーメン屋さんがいました。
夕食から時間が経っていたのでラーメンは魅力的でした。
堪らず友達とエレベーターに乗っていました。(笑)
外に出てすぐのところに居た屋台のオジサンに迷わず「ラーメン二つ下さい」と言うが早く、ラーメンはすぐに出て来ました。熱々をすすりながら無言で食べました。
まだ3月初旬、夜は流石に寒いです。
二人でフゥフゥ言いながら完食するとホテルに戻りました。
黙っていればいいことを、ついペラペラとしゃべり、他のルームメイトも食べたいと言い出しました。
ロビーまで一緒に降りると、ザワついている音を聞きつけた教頭と担任が来て何事かと聞いてきたのです。
訳を話すと二人の先生は笑いながら「いいですよ」とOKサイン。
ラーメン屋さんは大忙しになりました。
そこで助っ人を勝手に引き受けると、一番乗りで食べた私と友はラーメンをロビーに運ぶ手伝いをしました。
ラーメン屋のオジサンは「無くなり次第店じまいしますよ」と笑っていました。
噂を聞きつけた他のクラスの人も来ましたが、品切れでアウト、流石に残念そうでした。
当時の私は決してワルでもなく、いたって普通に真面目な女子高生でしたが、好きなことに対しては異常なほどのめり込むタイプです。
一見、おとなしくて静かで、いつも人とは別の方向を見てる変わった女子でしたが、それは今も変わらず「あなたって何考えてるか分からない人」だと言われています。
性格って変わらないものですね。
大阪を皮切りに各県を強行突破した旅行でしたが、大阪城にも勿論行きました。
そこでは「意地悪ばあさん」のロケに遭遇しました。休憩中になると気軽に私たちに声を掛けてくれました。
TVドラマ「意地悪ばあさん」は、青島さんシリーズで見てましたから、まさか遭遇するとは思いもしませんでした。
修学旅行はやっぱりいいですねー
思い出すのは断片的ではありますが、四国は愛媛県松山の道後温泉。
高知、桂島の坂本龍馬像。
香川県の金毘羅。
小豆島の二十四の瞳像
.......これらが印象に残っています。
観光バスの車窓から眺めた「造幣局」もありました。
京都では二条城、金閣寺、銀閣寺、鳳凰堂など主たるお寺も巡っています。
とにかく良く歩きました。(笑)
これだけの思い出があるということは、修学旅行もなかなか捨てたものじゃないな..と、歳をとってみて思うのです。
コロナの時代、修学旅行が取りやめになった学校が多数ありましたね。
学校でしか経験出来ない修学旅行.....
早く収束して欲しいと心から願っています。